今日はBCPについて。複数回に分けて。
日本の企業の中で、中小企業の割合は99.7%です。
中小企業といっても、規模の大きな企業もあれば、小規模企業まで多くあります。
私は、これまでたくさんの企業に携わってきました。
そして多くの経営者の方にお世話になってきました。
その中で一つ、とても感銘を受けた言葉があります。
「私一人の力で会社が大きくなったのではありません。従業員のおかげです。そして周りで支えてくれた皆さんのおかげです。」
多くの経営者の皆様は、従業員を抱えています。
そして経営者ご自身のご家族と、従業員の皆様のご家族への責任があります。
経営者の方々や従業員の皆様のご家族を支えてくれている保育園や学校の皆様、医療従事者の皆様など多くの方々に支えてもらい、安心して「会社で働く」ということができているのです。
本来的には、全ての方々に感謝を、全ての方々に責任を持ってというのが理想ですが、そこまで目を配るということは難しい事です。
経営者のご家族、従業員と従業員のご家族が安心して生活できるようにする必要があります。
例えば、その一つが、毎月の給与の支払いです。
これが滞る事があってはいけません。
二つ目に、従業員の安全です。
安全といっても災害から身を守ることについて、物理的には「その人」が自身で自分の身を守ることしかできません。
しかし、会社という組織に属している以上、会社、そして経営者は従業員を守らないといけません。
そして何より、従業員がいないと、業務の遂行を果たすことはできません。
災害時に、会社としてどのような行動を取るかということが非常に重要となります。
災害時に、従業員の自己判断で出社をするか否かを決めさせるのでしょうか?
出勤途中で従業員に何かあった場合、どうするのでしょうか?
そして、その従業員の方が、緊急時に必要な従業員だったらどうするのでしょうか?
会社(個人も)は常にリスクと隣り合わせです。
例えば、会社所在地で地震が起きたら?
それでも地震が起きていない場所では、経済は動いています。
支払いなどしないといけない。
当然待ってくれる会社もあるでしょうが、待ってくれない会社もあるかもしれません。
その日支払いができなくても、すぐに復旧させる必要があります。
そのため、BCP(事業継続計画)の策定が必要となります。
BCPは、災害など、何か生じたときに、中核事業を継続、早期復旧させるものです。
災害が生じた際に、中核事業が早期に復旧しないと、操業率を上げないと、事業の縮小、最悪の場合、廃業に追い込まれてしまう可能性があります。
しかし、BCPを導入していると、中核事業の早期復旧を果たすことができるようになり、信頼の獲得や企業価値の向上につながります。
簡単に言うと、「何かあった時のために、誰も何もしないと、そのまま変な方向に行っちゃうかもよ」ということです。
「何かあった時に何とかすればいいや」では遅いのです。
その時のために、BCPを策定し、都度見直しをし、常に「使える」ものを作る必要があります。
会社の業務の棚卸が必要です。
いつ何をするか、どのようなタスクを要するか、、、、
そして中核事業を洗い出す必要があります。
担当者しか知らない、という状態では、いざという時何もできなくなります。
急病でいなくなってしまったり。
手探りでやるのでしょうか?
その時のための準備が必要です。
BCPを策定することにより、事業を見つめ直します。
それにより、非効率だった部分などの改善などにもつながり、
事業競争力、組織力、ブランド力の強化や生産性の向上など、事業の発展にも寄与していきます。
BCPは作っても意味がないという言葉など聞きますが、果たしてそうでしょうか?
不確実性への対応方法の検討ということは、十分に必要であると考えます。
また、守りの投資というのは、視点を変えれば、将来きちんと事業を継続させるための「攻めの投資」とも言えます。
平時と有事の切り替えを、常にできるようにしておくことが大切です。
感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的・継続的に提供されることが重要であることから、介護施設・事業所におけるBCPの策定が、令和6年3月31日までの経過措置が設けられてはいますが、義務化されました。
次回はそちらの話を。
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